ずっと昔から、いつからだったかはわからないものの自分の今座っている場所、デスクの上には青い人型の段ボールが張り付けられている
2本の画鋲で張り付けられているのだが片方の画鋲は壁から離れているため実質的には1本の画鋲で張り付けられていることになり、少しだけ傾いて張り付けられている
大きさは150cmに満たないか、少なくとも自分の身長より小さいように見える
取り外して大きさを測ることもできそうだけどそれをするほど重要なものではないはずだ
1枚の段ボールを切って作られており、身体の大部分が淡い水色、胸部より上は青色に塗られている
大きく、縦長の両目と髪の毛は赤く塗られている
そのほかに、いくつかの部位が不規則に緑色の絵具で塗られている
右腕に該当する部分は顎に向かって曲がっており、もう片方の腕は少し胴体から離して下に向かって伸びている
これを作ったのは兄で、大体17年以上前に作られたのではないかと思う
自分と兄は幼少期、家から少し離れたところにある工作教室のような場所に通っており、そこでいくつかの作品を作った記憶がある
記憶があいまいでほとんど覚えていないものの、段ボールの上に寝そべった兄の型を取ったような気もする
そのあとどのように色が塗られたのかは覚えていないが、絵具(水に溶いていない)を太い筆、あるいは刷毛につけて塗ったような見た目をしている
この工作教室についてほかに自分が覚えていることは少なく、講師?のような人は年老いた男性であったこと、自分が祖父を模して描いた絵の髪の毛を灰色から黒に塗りなおされたことくらいかもしれない
今までずっとこの家にあったもので、とりわけ特別な思い出のものというわけでもなさそうに見えるが、きっとこのまま両親が死ぬか、この家を売り払うことになるまでは壁に張り付けられたままでいると思う